プロの印刷屋の独り言

印刷のプロから見た印刷業会のことや印刷トラブル、印刷技術情報などをお伝えします。

印刷通販以外の印刷屋さんが潰れないのは何故?

印刷通販会社の売り上げは年々伸びています。
そして、通販に新規参入する中小印刷会社もあります。


そんな中で、既存の印刷会社は駄目になって行くはずなのですが、
それでも倒産しないで頑張っています。


その訳は、当たり前すぎて言わずもがなですが、

 

1、全ての印刷物が印刷通販で印刷できる訳ではないから。
2、全ての人が印刷通販を利用できる訳ではないから。

 

他にも理由は沢山あると思いますが、

大雑把に言うとこの二点の比率は大きいのではないでしょうか。

 

全ての印刷物が印刷通販で印刷できる訳ではないので、
それ以外の印刷物は通販以外の印刷会社に発注をしないと仕方がありません。
(最近は幅広い商品を取り揃えておられるところが増えていますが)

 

例えば、後工程の複雑な印刷物などです。
印刷してから内職などの手作業で

折ったり貼ったりしないと駄目なような商品などは

手間がかかり通販ではあまり扱っていません。

 

また、用紙の種類は沢山ありますので、

全ての用紙を扱うのも難しく、

気に入った用紙が通販に用意されていない場合も利用できません。

 


それと、ほとんどの通販会社は印刷する色は

カラー4色とモノクロ(黒)しか扱っていないため、

特色が苦手です。


例えば2色の名刺の場合、

会社のロゴは特色で他の文字は黒1色という場合も

扱っている通販会社は少ないようですし、

あってたとしてもお近くの印刷屋さんよりも

割高になる可能性は高いです。

 

 


二つ目に印刷通販を利用するには

完全データを用意しなければなりません。

 

実はこれが結構厄介で、

プロのデザイナーでも完全データ(完璧データ)を作るのは難しいのです。


もしも、不完全なデータで印刷されてしまっても自業自得で依頼者の責任です。


完全データとは入稿データのまま、

何も手をかけずにきちんと印刷できるデジタルデータという意味ですが、

ここで言っている完璧データとは、

誤字・脱字や画質、その他デザイン的なことも含んでいます。


ぬり足しやヘアライン、画像モードなどは初歩的な事ですので

出来ていて当たり前です。


デジタルデータとしてはミスはなくても、

文字が間違っているとか、日付や曜日が違うとか、漢字が違うとか、

内容も完全でなければなりません。


当然ですが、写真の色味や仕上がりも含まれます。


特にカラー写真が含まれるデータは注意が必要で、

印刷時に写真の仕上がりは調整できません(してくれません)ので、

データ作成時に調整が必要になってきます。

 

今まで通常の印刷屋さんを利用しておられた方で、

自分がミスしていた場合でも
そっちプロなんだから気が付いてよ!

と責任を印刷屋に押し付けて責任逃れをされていた方は、
通販に頼む場合は全て自己責任になりますので注意してくださいね。

 

また、自分が見てるモニターもカラープリンターで出力したプリントの色も

最終の印刷物に合っている保証はどこにもありません。


思っていた色に印刷されていなくても文句は言えません。


最近は色校正をしてくれる通販会社もありますので、
色味が心配ならば、

少し高くついても校正刷りを依頼されることをお勧めします。


その方が刷り直しのリスクが無くなります。

 

上手に利用すれば本当にお得だと思います。